多くの中古物件を検討した中でも、特にこの家が気に入ったと語るK様。「昔から『和のもの』が好きなんです」と奥様がおっしゃる通り、購入した物件は懐かしい昭和の趣が残る日本家屋。「残せるものは残したい」とのご希望通り、既存の雰囲気を損なわない工夫が行き届いています。襖で仕切られていた続き間は、大空間のLDKに変身。既存の欄間はそのまま活かし、廊下のガラス戸を移設して間仕切りとして再利用しました。古い柱の色に合わせ、システムキッチンの扉柄をセレクトし、無垢のパイン材を使った床材は煤竹色に塗装。多くの選択肢から選びに選び抜いて、ようやくたどり着いた納得の色合いだそうです。シックな色合いが空間を引き締め、高級旅館のような仕上がりになりました。
ダイニングと一体となったリビングも、畳部分を6帖分残し、周囲をフローリング敷きとすることでワンちゃんも走り回れる空間に。床の間だったスペースはAV機器用の収納を埋め込みで造作し、壁面は藁を圧縮したエコ素材の仕上げとしました。和の空間にマッチする仕上がりで、ご夫婦が一番お気に入りのポイントなのだとか。間接照明の柔らかなあかりも、豊かな質感と表情を際立たせてくれます。また、LDK以外にも、ご家族やお客様をお出迎えする玄関正面には円形のニッチを造作。金箔風クロスのその仕上げは、まるで空に浮かぶお月さまがお出迎えをしてくれているようです。住まいの顔となる空間から毎日過ごすくつろぎの場所まで、古さと新しさが調和した個性的なレトロスタイルの住まいとなりました。