町屋の雰囲気を活かしながら、モダンな印象を与える玄関。
小京都のような趣で国内外から観光客も数多く訪れる郡上八幡の城下町。その路地に建ち並ぶ昔ながらの町屋を購入したT様。人の集まる城下町だからこそ、昔ながらの住まいにこだわらず、明るく楽しく人が集まれるような空間を作りたいと、リフォームを決意されました。玄関は路地からセットバックし、訪れる人をお出迎えする印象的なしつらえに。一歩足を踏み入れると、純和風の外観からは想像できないような開放感いっぱいの洋風空間が広がります。壁一枚を隔てて隣戸とつながっている町屋造りのため、内壁は10センチ内側にふかし、防音・防火を兼ねたサイディングを施しました。本来外壁で見られるサイディングの質感や陰影がアクセントウォールとなり、お部屋に豊かな表情を与えてくれます。土間だったスペースはLDKに取り込み、タイル貼り仕上げで統一感のある空間に。既存の柱や梁はそのまま活かし、筋交いを入れることで耐震補強を行いました。空間を遮ることがないため、お部屋の開放感にもひと役買っています。オープンな空間のため、冬の寒さ対策としてリビングダイニングにはイタリア製のペレットストーブを設置しました。スタイリッシュなその佇まいは、ひときわモダンな印象を与えてくれます。またリビングダイニングから2階部分にかけては吹抜を採用。2階の窓からの採光性も高まり、縦の空間がつながる広がりのあるリビングとなりました。「郡上八幡は人と人との距離が身近で、つながりが強い町。ここはそんな町に"棲む"人のための家ですね」と、満足そうに語ってくださいました。