天井を取り払い、壁を撤去して蘇った江戸時代末期の土間空間全景。高気密・高断熱により、厳寒の冬でも入った瞬間に温もりが全身を包みます。ご主人のかねてからの念願だった薪ストーブが絶えず燃やされ、この暖房だけで広い住まいのどこにいても均一の暖かさを実現。屋根に開けた天窓からは明るい光が入り、土間全体をやわらかく包みます。取り去った鴨居を玄関の框に再利用するなど、できるだけ廃材を出さない工夫も。万全の耐震補強も施して、将来にわたり安心して快適に暮らせる住まいになりました。
古民家の魅力とS様ご夫妻の人柄に惹かれ、竣工後の一年間だけで100名以上の来客があったとか。周辺の里山の豊かな自然を満喫した後は、お風呂でミスト浴を楽しんだり、オープンなキッチンでゲストもお料理の腕を振るったり。広い土間リビングで、ストーブの薪が弾ける音を聴きながら味わうお料理とお酒は格別だとか。「古き良き伝統建築と最新の設備が同居しているのが素晴らしい」と皆様が絶賛されるそうです。同家9代目となるご子息が「父と母が蘇らせてくれたこの家を、僕の代になっても大切に住み継いでいきたい」と語る姿に、ご両親は目を細めていらっしゃいました。