自分が生まれ育った懐かしい家、また育ててくれた両親の思い出、そして代々の歴史・・・。そんな思い入れのある家や使っていた用品は、手を入れながらずっと使い続けていきたいと思うものです。リフォームして大切に住み続けるのはもちろん、父親の思い出が詰まった照明器具をぴかぴかに磨いて再び玄関で灯したり、母親や祖母が心の支えにしていた建て替え前の伝統ある大黒柱を新居でも再利用したり。誰かと過ごした思い出の品を、新しい住まいに上手に活かしていく工夫もさまざま。これまで過ごしてきた時の重みを大切に、次の世代へと継承していくリフォームです。
代々住み継がれてきた古民家。その美しさを現代に蘇らせながら、快適な居住空間へとリフォームするのが一つのトレンドになっています。外と同じ防寒着を家の中でも着て過ごしていたという築158年の家が、壁・天井に断熱材を施すことで薪ストーブだけであったかに。さらに梁をあらわしにした吹き抜けがダイナミックな空間を生み出している事例は見事です。築90年のY様邸では、土間を床組みにして丸太梁をあらわしにし、キッチンや建具の色とコーディネイトしました。古民家リフォームにおいては耐震性能の向上も大切なポイント。まずは耐震診断から始めることも一考です。